キャリアを築く、って何? 異業種に刺激を受けて自分に向き合う

 
エリアカレッジ・関西フォーラム2020は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を鑑み、1022日、オンラインで開催しました。
 
エリアカレッジ・関西フォーラム(以下、エリカレ)は、関西の企業を対象に2018年にスタートした異業種プロジェクトです。関西の企業で働く女性たちが主体的にキャリア構築について考え、自らが創りたい未来のためにアクションを起こすことを後押ししています。
 
3回目の開催となった2020年度は、834名が参加しました。職種を問わず、多様な部門で働く女性たちです。(管理部門 14名、企画部門 7名、営業部門 6名、技術・研究部門 5名、開発・マーケティング部門 2名)
当日の様子を、プログラムの流れに沿ってご紹介します。
 

変化が激しい時代 どのように中長期的キャリアを築くか

 
エリカレでは、事前課題として参加者にキャリアに関する悩みや課題を考えてきていただきます。
当日はまず、異業種のチームで自己紹介をし、その後、それぞれの課題を共有しました。
「ライフとキャリアの両立」、「ロールモデルがいない」などは例年出される課題ですが、今年は「そもそもキャリアとは何か」、「キャリア・アップとは何か」など、キャリアそのものが見えにくくなっているような課題感があることが特徴的でした。コロナ禍という社会情勢も影響し、先が見えにくく、自分の意思でキャリアを築くことがより困難に感じられているのかもしれません。
 

 
変化が激しい時代に中長期的キャリアを考えるというのは大変難しいことのように思えます。
考える材料となるよう、ファシリテーターを務めるチェンジウェーブからは「VUCAの時代に求められるリーダーシップ」や「これから求められるスキル」について紹介し、困難な状況に陥っても、それを乗り越える力であるレジリエンスは後天的にも身に付くものであることをお伝えしました。
先が見えないからこそ、「周囲に振り回される」よりも「自ら問題解決に向けて行動してみる」ことが求められています。
 
会社から求められる「女性管理職を増やしたい」というプレッシャーと、「まだ管理職になる自信がない」という自分の現状との間にギャップを感じていた参加者の中でも、プレッシャーを過度に感じすぎず「自分らしくて良い」と気づかれた方が多くいらっしゃいました。
 


困難な壁をいかに乗り越えるか ロールモデルに聞く

 
続いては、これからも予期せぬ変化が起きることを前提に「その変化をどう乗り越えていくか」、8名のロールモデルとディスカッションする時間です。
ロールモデルは参加企業からご推薦いただき、事前に参加者の希望を聞いてマッチングしています。
 
遠い存在に見えたロールモデルも、本音を聞き、自分の悩みをぶつけてみると、案外自分との共通点も多く身近な存在であることに多くの参加者が気づきます。
「管理職にならなくては」というプレッシャーや不安も、気負いすぎず、しなやかに変化の波や困難な壁を越えてきたロールモデルに出会うことで、少し軽くなるようです。
 
一方、ロールモデルの皆様からは、想いのこもったエールを頂戴しました。
高橋瑠美さん(フジッコ株式会社)は、「管理職になったとき、『私は女優』と思って演じるくらいの気持ちでいれば、楽しみながら新たな自分を発見できるかもしれない」という、新たな視点を提示してくださいました。
また、タイからご参加くださった中下裕子さん(ダイキン工業株式会社)からは「参加者が真剣に課題に向き合う姿を見て、心から力になりたいと思ったし、まだ日本は大丈夫だと思った」と温かいお言葉をいただきました。タイからのご参加が叶うことはオンライン開催ならではのメリットでもあります。
皆様それぞれに違う個性をお持ちですが、どのロールモデルからも、一歩踏み出す勇気を分けていただいた気がしました。
 

 

  エリカレという場をどう活用するか

 
そして、エリカレという機会をどのように活用するかをテーマに、パネルディスカッションを行いました。
 
パネリストはお二人。企業の人事部として参加者を送り出す側であり、自らも管理職として活躍されている増田桂子さん(株式会社アシックス)と、昨年度の参加者で「エリカレをきっかけに変わった」と人事部から推薦された川口詩織さん(フジッコ株式会社)です。
 

社外の人との交流で視野が広がり、自分のことをより客観的に考えられるようになると思います。
実際、アシックスでは、エリカレに参加して心境の変化があり、より責任のあるポジションに昇格した人もいます。(増田さん)
 
エリカレで作ったアクションプランを行動に移したら、その波及効果が上司や後輩など、周りの方々にポジティブに広がっていきました。(川口さん)

 
アクションを起こしてみた後の確かな成果や自分自身の気持ちの変化など、説得力あるお話をいただきました。
  

 

自分軸で中長期的キャリアを考える

 
知識のインプットやロールモデルとの交流を経て、参加者からは「自分らしく」「自分軸でキャリアを描く」という言葉が聞かれるようになりました。最後のワークは、ライフキャリアデザインです。
 
エリカレオリジナルの「ライフキャリアデザインシート」を使って、ライフとキャリアのプランを書き、チームで共有していただきました。異業種であっても共通点がある一方で、違いの中から自社の良さに気づく参加者もいます。異業種他社では「暗黙知」がないせいか、率直に本音でアドバイスし合えるというメリットもあります。
 
実際に書いてみると、○○歳まで、と仮に定めた期間でも、「意外と時間がない」ということに驚きます。
強く意識していた「管理職になること」も、実は成長の通過点であり、キャリアの中で起きるさまざまな変化を俯瞰して見れば、「一部」であると認識することができます。
 

 
そして、ネクストステップを考える振り返りと、気づきを共有するセッションを実施し、エリカレ2020は終了となりました。
 

 


今を大事に、自分と向き合う時間をつくる

 
参加者を対象にした開催後アンケートでは
「自分がどうしたいかを考えるのが重要で、その上で挑戦する、ということが気づきです」
「あとで何があってもいいように準備が必要なので、今はその期間だと思う」など、
今を大事に、自分と向き合う機会の必要性を感じられたというコメントが目立ちました。
 
予期せぬ変化が続き、日々忙しく対応している中でも、エリカレに参加してくださったことが、いったん立ち止まって考えることの必要性に気づく機会になったのなら、とても嬉しいことです。
 

 
開催形態の変更が余儀なくされる中、参加企業の事務局ならびにロールモデルの皆様の多大なご協力により、本年度もエリカレを開催することができました。参加者が積極的な姿勢で取り組んでくださったことも、オンライン版エリカレをより有意義な場として提供できた大きな要因だと考えています。誠にありがとうございました!